FOR ARCHITECTS, PLATFORM ENGINEERS & SRE
AC-01 / ENGINEERING CONSOLE
構成図を、
運用可能な制御系へ。
AIモデルだけを切り出さず、RAG、エージェント、AKS・PaaS、Entra ID、Private Link、Key Vault、監視、バックアップまでを一つの依存関係として設計します。技術選定の理由、障害の観測点、切戻し条件を実装前に定義します。
LATEST CONTROL INTELLIGENCE
期限情報を、
設計変更へ変換する。
PRIMARY SOURCES CHECKED2026.08.29 公式情報で確認できた事実と、当事務所が実務上確認する統制項目を分けて掲載しています。適用範囲は個別の構成、契約、利用地域、役割によって異なります。
OBS-MSI-0831ACTION
AZURE MONITOR / IDENTITY
連携ストレージの追加・更新にワークスペースIDが必要
- 確認済みの事実
- Microsoftは、2026年8月31日から、Log Analyticsワークスペースで保存済みクエリまたは保存済みログアラート用の連携ストレージを追加・更新する際、ワークスペースへのマネージドID割当てが必要になると案内しています。
- 実務上の確認点
- 連携ストレージ、保存済みクエリ、ログアラート、ワークスペースID、ストレージ側RBACを対応付けます。変更前後で保存・読出し・アラート実行を試験し、実行主体と権限付与記録を証跡化します。
公式情報:Microsoft Learn OBS-0914ACTION
AZURE MONITOR
HTTP Data Collector APIのサポート終了
- 確認済みの事実
- Microsoftは、従来APIのサポートを2026年9月14日に終了すると案内しています。TLS 1.2以降に準拠する既存クライアントの取り込みは継続すると明記されており、同日を一律の停止日として扱う情報ではありません。
- 実務上の確認点
- Classicテーブル、SourceSystem=RestAPI、送信アプリ、依存するKQL・アラートを棚卸しし、DCRとLogs Ingestion APIへの並行移行、件数・遅延・欠損・スキーマ差分の比較試験を行います。
公式情報:Microsoft Learn AKS-0930ACTION
AKS / CONTAINER INSIGHTS
従来ContainerLogテーブルへの取り込み停止
- 確認済みの事実
- Microsoftは、ContainerLogのサポートを2026年9月30日に終了し、同日後は従来テーブルがデータを受信しなくなると明記しています。
- 実務上の確認点
- ContainerLogV2を有効化する前に、ContainerLogを参照するアラート、ワークブック、KQL、保持・課金設計を抽出し、移行前後の検知結果とログ欠損を照合します。
公式情報:Microsoft Learn IAM-2026-09ACTION
MICROSOFT ENTRA
Conditional Accessカスタムコントロールの変更制限
- 確認済みの事実
- Microsoftは、Microsoft Entra Conditional Accessのカスタムコントロールについて、2026年9月から新規追加と既存設定の編集を不可とし、2027年初頭に完全廃止する予定と案内しています。
- 実務上の確認点
- 対象ポリシー、外部MFA事業者、適用ユーザー、緊急用アカウント、失敗時のサインイン経路を特定し、External MFA等への移行と並行テストを変更不能になる前に完了させます。
公式情報:Microsoft Learn AI-OBS-0819REVIEW
MICROSOFT FOUNDRY / AGENTS
AIエージェントの評価・トレース・監視を統合
- 確認済みの事実
- MicrosoftはFoundry Agent Serviceの観測性として、エンドツーエンドのトレース、メトリック、評価、Application Insights連携を案内しています。Foundryの観測性資料では、品質、安全性、RAG、ツール呼出し精度、タスク完了などの評価項目が示されています。
- 実務上の確認点
- モデル応答だけでなく、検索、ツール呼出し、承認、再試行、失敗を同一トレースへ接続します。評価セット、品質しきい値、サンプリング、機微情報の記録範囲、保持期間、アラート、停止条件を本番移行前に決めます。
公式情報:Microsoft Learn PROFESSIONAL FOCUS AREAS
技術者向けの、見落とせない論点。
一般論ではなく、設計・審査・投資判断の場で確認すべき対象と、計画を止めて再確認すべき兆候を対応付けています。
AIランタイム・評価設計
モデル、プロンプト、検索、ツール呼出し、承認処理を分離し、Groundedness、Relevance、ツール呼出し精度、タスク完了を評価します。
RED FLAGS / 再確認の兆候- モデル変更とアプリ変更が同時
- 評価セットが本番利用を表していない
- ツール実行に停止上限がない
RAG・データ経路
データソースからインデックス、検索、引用、削除までを追跡し、文書権限と検索権限のずれを防ぎます。
RED FLAGS / 再確認の兆候- 削除が索引へ反映されない
- 文書権限を検索側で再現できない
- 取込失敗を検知していない
ID・ネットワーク境界
人、アプリ、ワークロードのIDを分け、マネージドID、RBAC、秘密情報、閉域通信を最小権限で接続します。
RED FLAGS / 再確認の兆候- 共有資格情報が残る
- 恒久的な管理者権限
- 閉域化後の運用経路が未設計
AI観測性・SRE
OpenTelemetryトレース、評価、メトリック、Application Insightsを接続し、回答品質、検索、ツール実行、依存先、遅延、費用、ログ欠損を同じ監視面で扱います。
RED FLAGS / 再確認の兆候- ログ到着を正常性と誤認
- トレースの機微情報と保持期間が未設計
- AI品質と基盤監視が分断
リリース・復旧
IaC、構成差分、機能・権限・性能・復旧試験、段階展開、切戻しをリリース判定へ組み込みます。
RED FLAGS / 再確認の兆候- 切戻し不能なデータ変更
- 復元試験が未実施
- 依存関係順の復旧手順がない
FIELD INCIDENT TO RESOLUTION
現場の症状から、
解決経路を特定する。
以下は実績事例ではなく、相談で想定される代表的な場面です。原因を断定せず、まず事実と証跡を保全し、初動、恒久対策、再開条件へ分解します。
ENG-CASE-01 CONSULTATION SCENARIO
昨日まで正しかったRAGが、古い文書を根拠に回答する
現場で起きていること削除済み規程が検索結果へ残る、部署権限を外した利用者にも断片が見える、回答の引用元と実文書が一致しない。アプリ、取込処理、索引、権限フィルターのどこでずれたかを追えず、再取込だけが繰り返されている状態です。
- 放置した場合
- 誤回答の範囲を確定できず、利用停止の要否、影響利用者、再開条件を判断できません。再取込で証跡を上書きすると、原因追跡も難しくなります。
- 最初に行うこと
- モデル、プロンプト、索引、取込ジョブの版を固定し、該当回答の時刻、利用者、相関ID、引用文書、検索結果を保全します。文書件数、削除反映、権限クレーム、検索フィルターを経路順に比較します。
恒久対策・解決方法- 原本から索引までの取込・更新・削除を別々の監視信号にする
- 文書権限と検索時フィルターの対応試験を利用者属性別に自動化する
- 評価セット、許容しきい値、索引切替、切戻し条件をリリース判定へ組み込む
相談時にあると確認が早い資料- 誤回答の画面・発生時刻・利用者区分
- 対象文書と削除・更新日時
- 取込ジョブ、索引、認証・アプリの構成資料
この状況について相談する ENG-CASE-02 CONSULTATION SCENARIO
閉域化した直後から、AKSやアプリの接続が断続的に403になる
現場で起きていること開発環境では通るのに本番だけ失敗する、Pod再起動で一時的に直る、名前解決が公開・閉域で混在する、マネージドIDへ付けたはずの権限が実行主体と一致しない、といった複合障害です。
- 放置した場合
- ネットワーク、DNS、ID、RBACを別担当が個別に変更すると、原因と復旧点が分からなくなります。例外的に公開経路や共有資格情報を戻し、そのまま残る危険もあります。
- 最初に行うこと
- 変更を凍結し、失敗した実行主体、トークンの対象、DNS応答、Private Endpoint接続状態、経路、RBAC割当、失敗ログを同じ時刻で並べます。暫定経路を使う場合は期限と撤去責任者を設定します。
恒久対策・解決方法- 人・Pod・アプリ・運用者ごとのIDと権限を一枚のマトリクスにする
- 公開経路と閉域経路のDNS・通信・認証試験をリリース前後で実施する
- 障害時の診断順、暫定経路、切戻し、例外撤去をランブック化する
相談時にあると確認が早い資料- 障害発生前後の変更一覧
- 構成図、名前解決、通信経路一覧
- 実行ID、RBAC、該当時刻のエラー・監査ログ
この状況について相談する ENG-CASE-03 CONSULTATION SCENARIO
バックアップは成功表示なのに、業務を再開できない
現場で起きていることデータは戻っても秘密情報、DNS、ID、依存API、構成版が揃わない、復元先の権限が足りない、どの時点のデータを正とするか決められないため、復元作業が止まる状態です。
- 放置した場合
- バックアップ成功率を可用性と誤認し、RTO・RPOを満たせません。復旧中の書込みや再実行により、二重処理やデータ不整合が広がる場合があります。
- 最初に行うこと
- 書込みと変更を止め、業務影響、復元点、依存サービス、復旧順、再開承認者を確定します。残存バックアップを保護し、検証用環境で整合性と認証経路を確認します。
恒久対策・解決方法- データ、構成、ID、秘密情報、DNS、外部依存を含む復元単位を定義する
- 依存関係順の復元手順と業務再開判定を一本化する
- 定期復元試験で実測時間、失敗点、改善期限を記録する
相談時にあると確認が早い資料- 対象業務と許容停止時間
- バックアップ方式、保持世代、最新ジョブ結果
- 構成図、依存一覧、既存の復旧手順と試験記録
この状況について相談する FIRST CONTACT / 事前整理原因が分からなくても、発生時刻・影響業務・直前の変更・分かる範囲の資料から確認できます。
問い合わせフォームを開く DECISION CONTROL MATRIX
問いを、制御と証跡へ接続する。
判断時の問い、実装・運用上の制御、確認に使う証跡、説明責任を負う主体を一行で結びます。
| THEME | 判断時の問い | 制御・判断基準 | 確認する証跡 | OWNER |
|---|
| MODEL | モデルとプロンプトを独立して戻せるか | 版固定、評価ゲート、段階反映、ロールバック | 評価結果、構成版、変更記録 | AI / APP |
|---|
| RAG | 権限・鮮度・削除を検索結果まで追跡できるか | 権限継承、取込監視、削除同期、引用検証 | 取込ログ、権限試験、索引版 | DATA |
|---|
| AGENT | ツール実行の品質と停止点を測定できるか | 許可リスト、承認点、回数・時間上限、隔離、回帰評価 | 実行トレース、ツール呼出し精度、完了率、停止記録 | APP / OPS |
|---|
| OBSERVABILITY | AI品質と基盤障害を同一トレースで追えるか | OpenTelemetry、評価しきい値、サンプリング、機微情報除外、保持 | トレース、評価結果、アラート、欠損記録 | SRE / AI |
|---|
| IDENTITY | 人・管理者・ワークロードIDを分離したか | MFA、PIM、RBAC、マネージドID、秘密情報管理 | 権限表、アクセスレビュー、認証ログ | IAM |
|---|
| PLATFORM | 依存サービスと通信経路を列挙できるか | Private Link、DNS、FW、ヘルス確認、容量上限 | 通信一覧、構成図、疎通試験 | PLATFORM |
|---|
| RECOVERY | RTO・RPO内で依存順に戻せるか | バックアップ、復元順、代替経路、再開判定 | 復元試験、所要時間、改善記録 | SRE / BCP |
|---|
PHASE GATE PLAYBOOK
次へ進める条件を、先に決める。
検討を作業の完了で区切らず、判断に必要な情報と残存課題が揃ったかを完了条件で判定します。
依存関係を確定
利用者、ID、データ、モデル、API、ネットワーク、監視、復旧先を構成図と通信一覧へ落とします。
EXIT CRITERIA未確定の依存先と責任者が明示されている
制御点を設計
認証、権限、承認、停止、クォータ、変更、監視、例外の制御点を配置します。
EXIT CRITERIA各制御にオーナー、確認方法、異常時動作がある
非機能を実測
品質、性能、障害、権限、ログ欠損、復元、費用を試験し、設計値との差を記録します。
EXIT CRITERIA本番移行基準と残存リスクが承認されている
運用へ移管
アラート、一次切り分け、変更、評価、復旧、エスカレーションをランブックへ統合します。
EXIT CRITERIA担当者が証跡を残しながら判断・復旧できる
DECISION ARTIFACTS
会議と運用で使える成果物。
説明資料だけで終わらせず、変更・審査・運用・監査・経営判断で更新し続けられる管理単位にします。
ターゲットアーキテクチャ
コンポーネント、依存関係、信頼境界、障害範囲を共有
AI・RAG・エージェント評価設計
Groundedness、Relevance、ツール呼出し精度、完了率、遅延の本番移行条件を定義
ID・通信マトリクス
主体、権限、宛先、ポート、名前解決、秘密情報を照合
監視・アラート台帳
信号、しきい値、通知先、初動、欠損検知を運用化
リリース・切戻し計画
構成差分、段階展開、データ変更、停止条件を管理
復元試験報告
RTO・RPO、依存順、復旧時間、再開判定を実測